テニスの王子様

□砂糖菓子より甘く
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私は立海大付属中2年、男子テニス部マネージャーの園原美蘭


今は練習中、私は皆のデータをとっていた
いつもこの時間に決まってあの人が私のもとにやってくる


今日も彼がやってきた



「おぅ、美沙貴!
なんか甘いもん持ってねぇか?
腹減っちまってよ」


彼とは3年のレギュラー丸井ブン太先輩だ

私は常にお菓子を持ち歩いている、だからブン太先輩はお菓子目当てでよく私のところに来る



『ありますよ』


私は微笑みながら昨日焼いたクッキーを取り出した


「おぉ、流石美蘭だぜぃ!!
いただきまーす!」



私はひょいとブン太先輩が食べようとしているクッキーを取り返した



「な、何だよっ!」


『部活中にお菓子を食べるなと真田副部長に言われていますよね?私も与えるなと言われていますので…』


「うっ………」


『だから今は駄目です。練習に戻って下さい』


「大丈夫だって!
少しくらいならバレないっt『駄目です
練習が終わったらちゃんとさしあげますから』…ケチ!!
俺は今食べたいんだよぃ!!」



『我が儘言わないで下さいー』


甘いものの事になると人一倍執着心が強い人、諦めるはずもなく口を尖らせて私にクッキーを催促してくる



「あ、そうか」


突然ブン太先輩がひらめいたような顔をする


そして妖しい笑みを浮かべながら私に近づいた


『な、何ですか?
お菓子はあげませんよ!』


「菓子は我慢する
でも、これだけはもらっとくぜぃ」



気がつくと唇に柔らかい感触


ブン太先輩にキスされていたと理解するには数秒かかった


「へへっ、ごちそーさまでしたっ」




そう言って悪戯っぽく笑うブン太先輩を見て私はただ顔を赤くする事しかできなかった



そのキスは

どんな砂糖菓子よりも甘かった








―砂糖菓子よりも甘く―


(クッキーよりずっといいもん奪ってやったぜぃ)





fin.




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