血桜開花録

□特効薬と治療
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池田屋事件が終わって、怪我をした人たちは療養を強いられていた時。私は自室にいた。結局的に話をするといっておきながら、できず…。そんなことを思っていた時、自室の襖が開いた。そこにいたのは……


「蓮、にぃ…?」



「架蓮。昨日ぶりだな」


そういえば聞きたかった!平助は?怪我はしてないとか言ってたけど…、本当に無事?!


「蓮兄!平s「平助なら無事だ。」本当に?」


「ああ、かすり傷だらけだけどな。はははっ…」


そう言ってからからと笑った。


「よかったっ……!本当に良かった!」


全身から力が抜けた。崩れ落ちかけた、私を蓮兄が受け止めてくれた。


「架蓮。昨日の夜、天霧という奴に会ったぞ…」


「私も千景…。風間千景に会った」


「あいつら、何者だよ?」


「同胞…かな?…私、ここにきて自分がこの世界でどんな存在なのかをずっと調べてた…。その時少しだけ千景に会ったの。彼は覚えていないらしいけど…。彼によると私は人間じゃないらしい。…そして貴方も」


私は下げていた顔をあげて、蓮兄と目を合わせる。


「私たちはなの…」


蓮兄は唾を飲み込む。私は、続ける。


「最初はそんなこと、信じられなくて…それで途方に暮れていた日の夜、新撰組と新選組に出逢った。…っ、あの時!蓮兄達に会えてよかったと思うのっ…!あのまま会ってなかったら私が私じゃなくなってたかもしれない…!!鬼ってわかった時に私、化け物なんだってっ!本当に怖かったぁっ……!!」


気が付けば私の頬を涙が伝い、私は泣き叫んでいた。


「えらかったな…本当に。…その時に兄ちゃんが一緒にいてやれなくて悪かった…」


そういって昨日のように頭を撫でてくれた。シスコンになってしまった兄だけれども、シスコンでもこの手の大きさと温もりは変わらなかった。いつの間にかその手に縋りついている私もブラコンなのだろうか。


「ううん…、少しでも私の話を聞いてくれてありがとう…。あ、総司に謝らなきゃ…」


「なんかしたのか??」


「ちょっとね…。蓮兄、ありがとっ。」


そう言って、私は立ち上がって自分の部屋を後にする。その時にはもう私も泣きやんでいた。…ちょっと目は腫れていたかもしれないけど。


私は総司を探して廊下を歩いていた。するとすぐそこの縁側に腰かけていた。


「……総司。」


私が彼の名を呼ぶと、彼は振り返った。


「どうしたの?架蓮ちゃん。」


「えと…、そのごめんなさい」


「え……?」


彼は私からの予想外の言葉に目を見開いた。


「昨日…、邪魔してごめんなさい。千景と千鶴ちゃんが会っていたら大変なことになっていたから…。ああいう行動を取ってしまった」


「じゃあ、少しだけお仕置き」


「…え?」


彼はそう言って、立ち上がり私に近づいてくる。そして抱きしめてきた。


「え??総司、なにして……」


「すこしだけ……。少しだけこうさせて」


「………うん」


彼の消え入りそうな声に私は反抗が出来なかった。いや、出来ない。ていうか身体に力が入らないなぁ……そろそろ、私……、


「架蓮ちゃん?架蓮ちゃん!?!」


僕の腕から崩れ落ちるように彼女の体が…






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