血桜開花録

□新撰組と新選組
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総司に襲われてから数日がたったある日のことだった。



私は千鶴ちゃんと一緒に部屋で談笑していた。そういえば土方さんと山南さんそして兄さんは大阪に出張中だそうだ。



そう、新選組が瓦解し始めるきっかけとなる山南さんの右腕負傷だ。私は山南さんが負傷してほしくないので、兄さんには事のあらましを説明しておいたのだ。だが、この運命は変えられないと内心思っている。



これからも物語に欠かすことのできない変若水が山南さんに投与されないという事は大きい。この強固な歯車は外せないと私は思う。




「架蓮ちゃん?どうかしたの??」




「…ん??なんでもないよ?そういえば千鶴ちゃんは屯所の中を見回ってないよね?」



「うん。部屋から出られないから…」



悲しい表情にさせてしまった。



「うん。そうだろうと思って今日は鬼の居ぬ間になんとやらっていうわけで今日こそ屯所を探検しよう!!」



私は千鶴ちゃんに笑ってみせた。



すると悲しい表情から一変して嬉しそうな顔をする千鶴ちゃん。



「やっぱり千鶴ちゃんには笑顔が似あうし!ね?千鶴ちゃんっ」



私は千鶴ちゃんの頬に手を持っていき、真正面から千鶴ちゃんを見る。



「架蓮ちゃんっ…?/////」



なぜか、顔を真っ赤にさせる千鶴ちゃん。



「どうしたの?千鶴ちゃん。風邪?探検、やめとく?」



「いっ!いえ!!!いきます!」



「無理しないでね?じゃあ、行こっか!」



私は先に出て千鶴ちゃんに手を差し出した。すると千鶴ちゃんは、おずおずと手を取った。





私たちは足取り軽く、その場を後にした。それを腹黒王子が見ているとも知らずに。







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