血桜開花録

□名前呼び
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あれから、私は腕を診てもらってから疲れて夕餉が終えてからすぐに寝てしまった。


目が覚めた私の目の前にいたのは私の兄、桜条蓮だった。


「よっ。目が覚めたか〜架蓮」


部屋の壁に背を預けながら気さくに話しかけてきた兄。



「腕、大丈夫か?総司も一も俺の妹だってのに容赦ないよなぁ」


こうなったのは誰のせいよっ!誰の!!もういろいろと鬱憤が溜まってたので兄の脇腹を殴ってやった。


「ぐふっ!!?架蓮ちゃんのグーパンチがぁっ!」


「何度言ったらわかるの?!もう恥ずかしいからやめてよ!!」


そんな漫才みたいなことを二人でやってたら襖の奥から笑い声が聞こえてきた。


「はははっ!面白いなぁ君たち兄妹ってさ」


笑い声の正体は沖田さんだった。


「ねぇ。今、へんな事考えなかった?」


総司お得意の微笑みを浮かべて訪ねてきた。


「いえいえ、全然沖田さんのお腹が真っ黒いなんて私微塵も思っていませんからって…っあ」



「へー…君、僕の事そんな風に思ってたんだ?」


腹黒度がいつもよりも増した沖田さんの笑顔が私に迫ってきた。


「ひっ!!やっ…」


「へえ。そんなこと言うお口はこれかなぁ?」


沖田さんが私のほっぺをむにっとつまんで、これでもかってくらい引っ張ってきた。


「いひゃい!いひゃいぃ〜〜!!はなひへぇ〜〜!(痛い!痛い〜!離してぇ〜!)」


沖田さんの引っ張る力は緩むことはなくて。


「あはは。何言ってるか全然わからないなぁ」


この人、絶対何言ってるかわかってるよ!!さっき棒読みだったよこの人!!


ていうかそれを面白そうに見てる兄さんって何?!


その時、部屋の襖が開いた。そこに居たのは斎藤さんだった。


「総司、お前桜条を呼びに来たのではなかったのか…?」


斎藤さんにそう言われて何かを思い出した沖田さんは、ああ。といいながら私のほうを向いてこう言った。


「なんか土方さんが呼んでたよ?架蓮ちゃんのこと」


「えっ!?!私ですか?てっきり兄さんのほうかと」


「まあ、蓮もだが本題はお前の処分についてだ…」


「ああ、そういうことでしたか。まあ、あそこまでやった私にはい、死んでください…なんてことはないと願って……」


私は広間に向かうため斎藤さんの後についていった。








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