血桜開花録
□鬼と兄と私と。〜後篇〜
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その後、千鶴ちゃんが綱道さんの娘だと判明し、新選組預かりとなった。
一方の私は道場にいた。それは遡る事数刻前のこと…
「ねえねえ。架蓮ちゃんってさ強いの?」
沖田さんが先ほど同じような深い笑みをたたえて私に尋ねてきた。
そんなこと言われても…。とか考えていたら兄さんが
「架蓮は強いぞ。それも特別な〜」
という爆弾発言をしてしまい道場で手合わせをしよう、ということになってしまったのだ。
最悪だ。あの人!!勝手なことを言って!
そんな特別強くなんてないからね私っ!
「で、誰がこいつとやるんだよ?」
「あ、私が選んでもいいですか?」
「ああ。構わないとも!」
私の問いに近藤さんは快く答えてくれた。
私は顎に手を置いて思案する。
悩んだ末にある人物の名を口にする。
「では、最初は斎藤さんで。お願いします。その次は沖田さんね。最後は兄さんで」
私の発言に近藤さんは面食らった顔をしてから、心配げに目の端を下げた。
「そんなに連戦でいいのかい?しかも桜条君や総司に斎藤君は新選組で一、二位を争う強さなのだぞ?」
「ありがとうございます。まあどうにかなります。最後に兄を潰すために沖田さんと斎藤さんには役に立ってもらいます。」
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