血桜開花録
□出逢いは突然に。
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「そろそろ、始まるのかな。」
私は京の夜道を歩きながら言う。物語の始まりの合図は<カレ>等の叫び声。
「ぎゃあぁあああぁぁああぁっっ!!!!」
出逢いは突然に。
「ん?…始まった、かな?」
私は現場へ向かった。
私は現場に来て目を見開いた。だって今まさに千鶴ちゃんを殺そうとしていたから。
わたしはすぐさま愛刀の「桜龍(おうりゅう)」を抜刀した。
一気に羅殺との間合いを縮め、急所に桜龍を突き刺す。
「ぎゃあぁああっ!!?」
一人、二人…と血をぶちまけて死んでいく。それは、人からただの物に変わっていく瞬間。
<カレ>等の血が私の着物をアカに染めていく。
そこで私は、助けてあげた女の子雪村千鶴(ゆきむら ちづる)に話しかけることにした。
「こんばんは。大丈夫かな?」
「えっ…!?ぁっ…、」
状況が状況なだけに狼狽える千鶴ちゃん。
「ごめんね。びっくりさせちゃったよね…私、桜条架蓮。貴方は??」
気を取り直して言う私。相手が千鶴ちゃんだから良かったものの……、これが沖田君とか斎藤君だったら……。
考えただけでもなんか恐ろしい…
「えっと…。雪村千鶴です。「千鶴ちゃん。しゃがんでくれる?」えっ……?はい。」
千鶴ちゃんがおとなしくしゃがむと私の顔の横をよく知った刀が、勢いよく通っていく。
私は避けなかったので、頬に赤い筋ができる。
だけど、私が血を拭うとあったはずの<アカ>が消える。
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