血桜開花録

□母の日記
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私は、その壁を何度も壊したいと思った。



だけど壊したときに来る痛みに耐えられないと思っていたから出来なかった。



でもそれを壊すことによって、何か「大切な物」を得られるかもしれない。



私は壊した時に思った。何か私にとって「大切なもの」を見落としたのでは、と。



でも、大丈夫だった。私には仲間がいてくれたから。


私は仲間のためなら、何にでもなれる。




だから、これを読むであろう、彼と私との愛しい貴女。




…………ものあらば、……となれ。





かすれて読めなかった。




母の日記、最後のページより。





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