血桜開花録

□秘密
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京の街中を見て千鶴ちゃんは嬉しそうな顔をする。


「わぁっ…!…すごいですね!京の街は!」


「そうだね。」


「まぁ、祇園際も近いし、街が浮き足だっているのは僕も否定しないけどね。…でも攘夷派浪士達の動きが怪しいのは本当だから、さっきの架蓮ちゃんが言った事を忘れないでね?」

子供をあやすかのような口調で言う総司。


「はいっ!」


そう元気よく返事をする千鶴ちゃん。


そういえば、もともと私はこの場所にいないはずなのだから、千鶴ちゃんに同行してもしてもいいよね?そう思った私は総司に尋ねた。


「総司。私、千鶴ちゃんの綱道さん探しに同行してもいい??」


「そうだね…。半年も外に出られなくて綱道さんの事を探せなかったんだしね。うん、いいよ。架蓮ちゃん、千鶴ちゃんの事よろしくね。」


「うん!!まかせておいてっ!!」


千鶴ちゃんは唖然としている。たぶん、総司がこんな事を言うとは思っていなかったのだろう。


「いいんですか?」


おずおずと聞いてくる千鶴ちゃん。


「いいんだよ!ほら、私も一緒に探してあげるから!」


「ありがとう!架蓮ちゃん。」


私たちは一番組に同行しつつ、道行く人に綱道さんの容姿を伝えたり、いわば聞きこみ調査というものをした。千鶴ちゃんが一生懸命男の人に話を聞いているとき、少し先の薪炭屋の近くから浪士らしき人が怒鳴る声が聞こえた。


それが聞こえたと同時に聞き込みをされていた人の声が聞こえた。


「そんな雰囲気の人なら、少し前にそこの枡屋さんで見かけたよ。」


そう言って、少し先の薪炭屋を指さした。


「ありがとうございますっ!」


そこに綱道さんがいる確証はないが、どこにいるかもわからない人の情報なのでそれだけのものでも千鶴ちゃんは信じてしまう。


まずいっ…!あの店に入ってはだめっ!!


「っ!総司っ!!向こうの浪士の事は頼んだよ!!」


私はそういって千鶴ちゃんが行った方へと走りだした。


「ちょっ!!架蓮ちゃんっ!?!」


総司がそういっている間にも浪士達は斬り合いを始めようとしている。


「…くそっ……!!!!」


総司はすぐに刀を構えて、浪士達がいるところへと飛び込んで行った。





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