□マリオネット
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「だから人間も、俺を愛するべきだよね〜」


月夜の夜
廃墟のビルの屋上、黒いジャケットを着た男が呟いた。


「ねぇ、そこの君」
「………」
「俺に何の用?」


男が話しかけると、男の後ろに1人の少女が現れた。


「臨也さんですよね?折原臨也さん。ずっと会いたかった」

「悪いな〜、俺には覚えがないんだけど」

「会いたかった、貴方に会って、伝えたかった」

「……」

臨也一瞬でさとった。
こいつは狂ってる…。
だが、不思議と恐怖心はなかった。




(やっぱり、人間て面白い!!)

臨也の頭の中にはそれしかなかった。


「人間が好きなんでしょう?だったら、私のことも好きになってくれますよね?」

「残念だけど、俺が好きなのは人間だけ、君は好きになれない」

「………」

少女は黙りこんだ。

「だけど…」

その沈黙のなか、臨也が口を開き、少女の前に立ち、少女の顎をくいっとあげた

「君みたいな種類の人間には興味がある」

一呼吸おいて、臨也は言葉を続ける。

「だから、君を調べさせてよ、その間に俺を振り向かせられるかは…」


顎にかけていた手を話すと、臨也は少女の首に小型のナイフを突き付けた。

「君しだいだ、つまらなくなったら捨てるから」

「いいですよ」


少女はナイフに驚かず、言葉を発した。

「貴方に興味を持ってもらうだけで幸せです!貴方に殺されるのなら、本望です!!大丈夫、貴方は私から興味をなくさない…、絶対に」

どうしてそんなに自信があるのだろうか…。



(やっぱり、人間っていうのは面白い)


「君は実におもしろい。いいよ、僕の側にいてよ」


君は僕のマリオネット。


(まずはどんなことして…君を調教しようか?)
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