旅学
□旅学 00
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「どわっ!」
完全に遅刻だ!寝過ぎた!
朝ご飯も食べずに学校に猛ダッシュ。
ひらひらと舞い踊るスカートなんて気にするような乙女なんかじゃない!
「ああああヒソカの馬鹿野郎ううう!!迎え来るって言ったじゃーん!」
この嘘つき!変態!
どうしようもないイライラにあたしの足は速まっていく。
ああもう学校着いたらヒソカ叩く!殴る!
弾む息にまでイライラしてきたあたしだが、学校への最後の曲がり角が見えて、ははっと吐息と共に笑いを零した。
「最終コーナー…ってどわあ!」
「うわっ?!」
最終コーナー、いや曲がり角に突入した途端目の前が真っ暗になった。
「いってー…」
「え、」
…正解には、真っ黒いスーツを着込んだこの…ハンサムくんに衝突してしまったらしい!
「わ、わあああすみません大丈夫ですか?!無事ですか?!」
「ん?…んー、とね、イケメンです」
ああ、頭打っちゃったかこの人…。大丈夫じゃないな。
でも確かに冷静になってみると格好良い顔してるよなあ!
よし、ハンサムくん略してサムと呼ぼうか!
今時ハンサム?とか言うなよな!
「っつあ、すみませんわたし急いでるんでこれで!」
やっばい〜ロスした!
スカートに付いた砂埃をバタバタと払い、あたしは礼をしてまた猛ダッシュで学校を目指した。
その後ハンサムくんと会うのはほんの数分後のおはなし。
080803