大晦日の夜のこと。
午後から紫龍がシュラに会うために魔羯宮を訪れていると言うので、出かけたっきりの氷河が夜8時近くになってから紫龍におぶられて宝瓶宮まで帰ってきた。
「一体、何があったと言うのだ?!」
驚きを露わに、宮の入り口に立つ紫龍とシュラの元まで駆け寄るカミュへと、シュラも紫龍も苦い笑みを返す。
紫龍の背におぶさった氷河に目をやると、彼は顔を上気させてぐったりと眠り込んでいるのだった。
「すまない、カミュ…。俺がきちんと説明すればよかったのだが…」
シュラが何とも申し訳なさげに頭を下げる。
そんなシュラに、「いえ、あなたのせいではありません。俺が持ってきたものなんですから、俺がちゃんと説明すべきでした」
と今度は紫龍が頭を下げる。
謝罪しあう2人を前に、カミュはいま1つ釈然としない思いで、
「結局、何があったのかきちんと話してはくれないだろうか…?」と2人に願い出た。
そして、ようやく紫龍が事の始まりを語り始めた。
「実は・・老師の作られた梅酒をシュラへの土産として持参したのですが、それを氷河がジュースと勘違いして飲んでしまいまして…気がつけばこんなことに…。すみません」
再び紫龍が頭を下げると、シュラも「いや、本当にすまなかった!」と一礼した。
「そんなにも飲んだのか?」
「あぁ…俺も紫龍も止めたのだが、美味い美味いと言って水のように飲み干してしまってな…」
「結局、上手く止められなかったのです…。すみません」
またしても頭を下げる紫龍とシュラに、カミュは
「まぁ、平気だろう…。氷河も聖闘士なのだからな」と言って僅かに苦笑を浮かべた。
それから紫龍の背で未だすやすやと眠り続ける氷河を抱きかかえると、
「わざわざ送り届けてくれて、すまなかったな。感謝する」と会釈した。
その後、紫龍とシュラが帰ってしまうと、カミュは氷河を寝室まで運んだ。
ベッドに寝かせ、毛布を掛けようとしたのだが、結構な力でもみあげを引っ張られてしまい、カミュはそのままベッドへなだれ込んでしまった。
−−…いったぁ…!!
「はっ!!」
しばし、痛みで瞼をきつく閉じていたカミュだったが、我に返りばちっと目を開いた。
「…!!」
吸い込まれそうなアイスブルーの瞳で氷河がカミュの瞳を見つめている。
「起き・・た・・のか?」
何故か言葉がぎこちなくなってしまう。
「カミュー☆」
今度はいきなり抱きつかれて唇にキスされた。
−−うわっ!!いっ、いかんいかんっ!!
…私としたことが、かなり動揺してしまった…;;;
「ほら、氷河、今夜はもう寝るんだ。いいな?」
ムギュー!!
言ってるそばからほっぺたを引っ張られて、間抜けな顔になった。
−−ぎゃっ!!伸びるっ!!
「こら、離すんだ、氷河!ちょっと酔いを醒ますために水でも飲むか?」
「いやです〜!カミュが…いい…」
またしても抱きつかれた。ついでにキスされた。。甘かった……。。。
−−あぁもう、いっそのこと理性を捨て去ってしまえたなら…!!
そんな風に、カミュが必死になって葛藤していると…
「今夜は…抱いて…くれないんですか…?」
−−なに〜〜〜っ?!!
ドキドキドキドキドキドキッ!!
理性が崩壊する寸前だった。いっそのこと…とも思ったが、酔いつぶれている間にと言うのがどうにもフェアじゃない気がして、カミュはなんとか踏みとどまった。
「氷河、とにかく今夜は眠るんだ」
「えぇ…?それじゃぁ、カミュも一緒に…。いいでしょ?」
「あ、あぁ…」
添い寝をOKしたものの、朝まで眠れそうもなかった。。
−−…いっそのこと…!!
…いやいや、いかんいかんっ!!
自分の腕の中、すやすやと幸せそうに眠る氷河を見つめたまま、不完全燃焼の夜は続く…。。
〜Fin〜
【後書き】
下らんもんUPして申し訳ないです!(土下座)
しかも15分くらいで書いた突発ネタなので、文章めちゃくちゃだし(^^;;
ほんっと、すみませんっ!!(平謝り)
だけど、好きなんです。誘う氷河たん☆
先生、不完全燃焼で可愛そうです(笑)
お読みくださり、どうもありがとうございましたm(__)m