そしてその後、二人で氷河お手製のチョコレートケーキを食べて、二人きりのバレンタインの夜を満喫する。
カミュもこの日のためにと準備したプレゼントを書斎から持ってきて、氷河の前のテーブルへと乗せる。
それは決して溶けることのない氷のケースに収められた、チョコレート製の氷河像だった。
大きさは30センチくらいだろうか。髪型から身体のライン、そして目鼻立ちまで、それはもう見事なまで氷河そっくりに彫られている。
「か、カミュ、これは一体!?」
「私が今日の日のためにと、夜なべして作ったチョコ製の氷河だ!」
「もしかして、カミュ…これを作っていたから毎晩徹夜続きだったのですか…!?」
「うむ」
力強く頷くカミュ。今度は氷河が彼の胸にダイブすることとなった。
「カミュ…カミュ…俺、すごく…すごく嬉しいですっ…!! この氷河、こんなにも心のこもった贈り物をもらったのは生まれてきて十四年になりますが、初めてのことです…!」
「そうか…お前にこんなにも喜んでもらえるなんて、私も実に幸せだ…!」
「カミュ、本当にありがとうございます。ずっと、大切にしますね!」
言うと氷河は、カミュの唇に自分のそれをそっと重ねた。
チョコレートの甘い香りに包まれて、二人の熱い夜はまだまだ続く−−。
〜Fin〜