●poem●
□音色
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触れた唇に残る ドレミだけの歌を
あと何度聞けるのかと溜息をついた
戻る事ない時間と消えたあの人の温もり
今はもう逢えないあの人の姿を
何度夢見て 何度探しても
見つかるはずなんてないのに
だから
私はまたアリスになる
あの人を追いかける少女に
二度と触れることのない指に
絡めた想いとは裏腹に
奏でるのは あの人の歌
もう聞くことのないあの歌
ただそれが奏でる音色は
風にも負けない綺麗な音色
あの人を愛した音色
ただそこに残るのは
あの人を愛したという証拠だけ