Fantasic★Travel

□02.いろいろな苦難-A
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白い朝日が薄らと霧掛かる町に影を落としていた。
小鳥のさえずりが聞こえてきてなんとも爽やかな朝。




…そんな中、やっぱりあたし達の周りにだけ質量をもった黒いモヤモヤが渦巻いていた。


「なんだよ、まだ拗ねてんのかよ」
「…む」
「俺は大歓迎だったのに」
「黙れシド」

「ハルなんかやっぱり大嫌い!!」
「はぁ!!?俺はお前のためにな…!!」

ひたすら不機嫌なあたしと信じられないという風に顔を顰めているハル。と、なぜか笑っているシド。

まあ、いつもの感じだ。



今日は競技大会の日。
そう、昨日話していた競技大会はなんと今日だったのだ。
いそいで受付に向かわなければならない。(金貨のために)


時をさかのぼれば8時間くらい前のことになる。








『え!?あたしだけ1人部屋なの!!?』
『…は?あたりまえだろ』
『よかったねーリマちゃん。1人部屋取れて』

なにが!?なにがいいの!?

『や…やだ!!ねえ3人部屋取ろうよ!!あたしが話しつけてくるからっ』
『は!?ちょっと待て!!3人部屋??何言ってんだよ??』
『いや…1人は…その…』
『怖いの?リマちゃん』
『我慢しろよそのくらい…』

キッとハルを睨みつけた。

『悪かったわね!!みっともなくてっ』

知らない場所に1人って怖いんだから!

『だからそこまで言ってねえだろ!!』
『こればかりはねー…』
『むー…、…あ!!』
『どうしたの??』
『あたし床で寝るから一緒の部屋で寝よう!!』
『『ぶッ』』
『?なによ、どうしたの』
『ば…バッカかお前!!女が男の部屋にほいほい入るんじゃねーよ!!』
なぜか真っ赤になって怒り出した赤毛頭。
もう肌の色と髪の色が見分けがつかない。

『なによ、女だの男だの……子供じゃあるまいし』
『その言葉そっくりそのまま返してやるよ』
『いいよ、あたしシドと一緒の部屋で寝るから。ハル1人で寝れば?』
『は…はあ!!??』
『お、いいねー。じゃあついでにベットも一緒に………おいハル冗談だって』


なぜか理由もわからないあたしは激怒したハルに怒られて1人の部屋に放り込まれたのだった。

あたしがどれだけ怖かったことか…。



もう絶対に許さない!



「今回はリマちゃんが悪いよ」

シドもそんなことばっか言ってるし…。
意味わからない!!
 
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