Fantasic★Travel
□プロローグ
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絶対にありえない!!
あたしは手渡された羊皮紙に黒いインクで書かれた名前を見た瞬間、1秒も経たないで破り捨てた。
あたしはリマ。
リマ・バレンタイン。
まだ修行の身の魔法使い。
栗色の髪の毛を耳くらいの位置ツインテールにして、髪と同じ色の瞳をしている。
唯一の自慢はお母さんに似た大きな目、くらい。
性格だって悪くないから友達だってそこそこ多いし、頭だって悪くない。
つまり、フツーの子ってことだ。
なのに何かとあたしにつっかかってくるこの男、いや、このクソチビ男!!
ハロルド・アーデルハイド!!
みんなからハルって呼ばれている。
元気で明るくて、おまけに魔法剣が使えるらしい。
魔法剣っていうのは、自分の魔力を剣に流し込み闘う道具。
使える人は多くないから、まだ16歳のあいつが使えるのはすごいことだ。
あたしよりすこーしだけ身長が高いだけなのにたいしたもんだ。
まあそうゆうわけで男子から一目置かれている。チビだけど。
おまけに顔が男のくせに可愛い!!
大きな綺麗なアーモンド型の瞳に、オレンジみたいな赤い髪の毛。
ホント、女のあたしでも可愛いと思ってしまうほど可愛い顔をしているもんだから、女の子が放っておくはずない。チビだけど。
男女共に優しいあいつ、ハルは、なぜかあたしにだけ意地悪だ。性悪小僧だ。
チビのくせに!
とにかくあたしはすっごく、もう最強にあいつが嫌いなわけだ。
なのに…
やばい、泣きそうだ。