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□Prismatic love 〜気づけば世界は虹色で〜
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 平日の真っ昼間だからだろうか、人の影はまばらに見える程度だ。まあ、こんな強い日差しの下じゃ、子どもを遊ばせる親の姿も見受けられなくて当然かもしれないが。
 その公園の木陰にあるベンチに腰かけて、ネクタイを外す。上着も脱いで、背もたれに投げるようにかけた。眼を閉じたまま頭を背に預けると、体からズルズルと力が抜けていくのが分かった。

 瞼を下ろしていても分かる。視界がグルグル回りだしている。

――あ、ちょっとコレ、ヤバい、かも……。

「あ……あの……」

 ふいに、瞼の上に影がかかり、戸惑ったような高い声が耳に届いた。

「……へ?」

 目の前には、白いワンピースを清楚に着こなした、かわいらしい少女の姿。俺よりも、だいぶ年下だろうか。
 黒いロングストレートの髪が風にそよそよと揺れ、ノースリーブのワンピースから覗く細い腕や足が、白く太陽を反射している。

 俺が今まで生きてきた中で、一度も出会ったことのないような美少女だった。

 つーか、俺この子に何かしたっけ?

 思い返してみても、こんな美少女に話しかけられるようなことは、身に覚えがない。というか、クラクラする意識の向こうでは、考えることすら困難で。


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