「長門さん…!!」
「どうした桜…?こんな所に呼び出して。」
軒先の陰に隠れるように長門が現れた。
「あの…これ…渡したくて。」
桜がチョコの入った包みを差し出すと、長門は少し困ったような顔で笑った。
「まったく…こんな事の為に危険に身をさらすな…桜。」
「え…?」
「お前は長州藩士と共に生活しているんだ…新撰組の俺と会うことはどちらからも狙われることになる…。」
長門の言葉に桜は黙ってうつむいた。
「それでも…好きだから仕方ないじゃないですか…。」
「桜…。」
「"こんな事"なんて言わないで下さいっ…!!!!」
目いっぱいに涙を溜めながら長門に包みを押し付け、桜はその場から走り去ろうとした。
―…ガシッッ!!
「桜…!!!!」
「はっ…離して下さい!!」
「悪かった…。でも…分かってくれ…俺はお前が大切なんだ…俺の為に危険な目に合わせたくない…!!」
「長門…さん…。」
「これ…ありがとな。気を付けて帰るんだぞ…?」
。+゚Happy Valentine゚+。
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