「楢崎さん、お茶お持ちしました。」
「そこに置いておいてくれ。」
(楢崎さん…辛そうだな…。)
昨日からほとんど徹夜で書状を書いている楢崎は、桜の方を振り返りもせず筆を走らせ続けた。
「あの…楢崎さん…こんな時に…なんですけど…。」
「なんだ。」
「良かったら…あの…これ…お茶菓子としてでもいいので食べて頂ければ…。」
桜がチョコの入った包みを差し出すと、楢崎は少しため息をつきながら言った。
「……全くこんな時に…そこに置いておいてくれ。」
「う…はい…すみません…。」
言われた通り包みをお茶の側に置くと、桜はシュンとしながら立ち上がった。
―…グッ!!
「え…?」
「気を使わせて悪かったな…その…ありがとう。」
そう言って桜の腕をつかみながら顔を赤くする楢崎は、
桜が今まで見たことのない楢崎だった。
「この仕事が片付いたら…食事でも行こう。」
「はい…!!!」
。+゚Happy Valentine゚+。
.