novel

□夢の続きはすぐそば
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夢を見た。
夏野に思い切り抱き締められる夢。
頭をなでられて、
俺が笑うとキスをしてくれる。

「好きだよ、徹ちゃん。」

口を離して夏野はいう。

「……俺も。」

そういって見上げたら………天井っ!えっ?

目の前には毛布。
それを抱き締めている俺。
毛布は夏野だったらしい。
というか寒いっ!
唯一のかける物だったはずの毛布が腕のなかなのだから寒いに決まっている。

「なつのー」

何気なく口に出してももちろん夏野の声は聞こえない。

「徹ー、ごはんよー」

「はーい、今行くー」

毛布を横に追いやって
ベッドから離れる。

「母さんー、ココア。マジ寒い。」

朝ご飯を食べて制服に着替え夏野を待つ。

甘えたいのに年上だからとか、
夏野に迷惑かもしれないとか、
言い訳をつけて夏野から行動を起こすのを待つ。

だけど、夏野はあまり行動に表してくれない。

「徹ちゃーんっ!」

下から声が聞こえて
リュックを鷲掴み、そのまま背負い下に降りる。

「じゃあ行って来る!」

そう母さんにつげ、扉を開ける。

「おはよっ、なっつーの!」

「名前で呼ぶな、行こう、徹ちゃん。」

歩きだした夏野に後ろから追い掛ける。




「なっつーの!」

校門を後にしようとしていた夏野に呼びかける。
夏野は足を止めじーっと俺の方を見て、

「名前で呼ぶな」

そういって俺の方にやってくる。

家につくとなにも言わずに定位置につく、

抱き締めてほしいなんて
キスしてほしいなんて
言えるはずもなくて

欲求不満?
いや、違う、夏野が俺を好きでいてくれるという確証が欲しいだけ
ただ、俺が甘えたいだけ。

「どうしたの?徹ちゃん。じーっと見て」

「なんでもないっ……かもしれない」

「かもしれないってなんだよ」

眉間に皺を寄せ不思議そうな顔をする。
見てくれただけで嬉しいなんて女々しいかもしれないけど
頬に熱が集まる。

「どーしたの、徹ちゃん。」

ベッドから降り、俺の前に座る。
頬に両手で添えられ夏野しか見れなくなって
思わず視線を落とす。

「ねぇ、徹ちゃん。なんかあるなら言ってよ」

気になるからさ、とか目の前で言われて
内心どうしようもないほど慌てる。

「抱き締めて」

言ってしまった言葉を取り消すことはできない。
引かれた?

一瞬感じたのは自分じゃない温もり。

「徹ちゃんのバカ。そういうことは早くいってよ」

強く抱き締められた。
一番欲しかった温もり。
好きな人の温もり。

俺は首に手を回す。

キスして

そういったら君は……


夢の続きはすぐそば
(君に甘えていいですか?)

――――――――――
なんなんでしょうか、これは。
よくわからんヽ(´▽`)/←
企画参加させてくださり
ありがとうございました。

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