novel

□思いと想い
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日向は来る。
朝決まった時間に
たまに走って
いつもは歩いて
「音無ー!」
という声に少し喜びを感じながら
「おう!」
と叫びバックを持つ。
軽く急いで廊下を行き
ドアを開けると
笑顔の日向、いや恋人がいて
それを見て俺も笑う。
「日向、さぁ行こうぜ」


「なぁ、音無ー音無ってばー」

「?」

「テストやばい。テストって何?」

「あー、教えてやっから、何が分かんないか言え」

「テスト範囲どこ。」

「はい?」
へ?という顔をする日向にいやいやと首を振る。

「あーもーしゃあーねぇな、それこみこみで教えてやるよ。」

「ありがとなっ、音無。」
そう笑う日向に目を逸らしお、おうと言う。

「さぁ、帰ろうか。音無」

俺は幸せだ。
心配になるほどに、
一人だった俺に幸せをくれた大好きな日向に感謝しながら、
アホな日向を軽くからかいながら、
家に向かう。

初音、俺はこんな幸せでいいのかな?
――いや、いいはずない。
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