novel

□思いと想い
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病院で言われた。
「初音さんは……入院が必要です。」

どうしたらいいか分からなかった。
初音は大丈夫だよ、お兄ちゃんと少し寂しそうな顔をしていった。
初音は学校が好きだ。
毎日俺に学校の話をしてくれるほどに…
わかっていた、わかっていたんだ、いつかこんな日が来ることは
毎日、ただこんな日が1日でも延びればいいそう願って
運命とは無常だ。
俺がなればよかったのだ。初音の荷物を病院に持っていく、そしてただ一人で、俺は…







「音無ー!向かいに来たぞー!」
外からそんな声が聞こえる。
帰ってきたまま寝てしまったらしい俺はまだ制服のままで
……風呂に入ろうか
「おっとなしー!遅刻すんぞー!」
どうやら入っている時間はないらしい。
ぐしゃぐしゃになっているワイシャツを脱ぎ捨て、新しいのを羽織る。
いまいくーと叫び急いで準備する。
カバンの準備はいらない。
俺は置勉派だ。
バックが思いのは頂けない。
靴を履き扉を開ける。
「悪い、待たせた…」

「いや、いい……ってお前、目どうしたんだよ!」
腫らしちゃってーとか、いいながら俺の目に軽く触る。
「なんでもない」
そういって俺が笑うと、
そうかー、なんかあったら言えよなーとかいって歩く。
日向はよく笑う。
その笑顔は俺までも何故か笑顔にする。
俺のことを話したら、その笑顔は消えてしまうだろうか。
いや、笑って励ましてくれるかもしれない。
そんな可能性があるとしても、あいつの笑顔を失うのが怖い自分がいて…

「なぁ、音無大丈夫か?」
そんなこと考えているうちに今日の授業も終わってしまった。テストどうすんだという質問には、テストってなに?おいしいんですか?とでもいっておこう。
日向は一日中心ここにあらずになっていた俺を不思議に思ったかのような質問をした。つか、不思議に思ったんだろうな。

ん………とか、あー、とか言っているうちに家の近くにたどり着く。
「そういえば初音ちゃんどうしてる?」
俺を元気付けるためにいってくれたのだろうが逆効果。いきなり足を止めてしまう俺に日向は慌てる。
「あっ、うぉ!音無どうした?」
初め驚いてた声がどんどん心配そうな声になっていく。


「初音…は……」
俯きながら泣きそうな声で音無はいう。
原因は初音ちゃんか……
それじゃあ俺になんとかする事はできない……か
でも、このまま1人にすることはできない…。
「俺ちにこいよ、1人だろ?」
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