novel

□思いと想い
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席に座る
窓の外を眺める
はぁー…とため息を付く。
「おーはよー」
遠くで声が聞こえ、それが近づいてくる。
なぁ、音無っ!
そんな声と机を叩く音が同時に聞こえ思わず、体をびくっとさせる。

「んだよ。」

「ほら、みんな変わっただろ!」
日向はウキウキと話す。

「多少俺に対する見方がかわったか…?」

「そーだろ!」

「目的変わってんぞ」

「んな、ことはねぇよ!」
それも目的の1つだからといって笑う日向はなんだかとても眩しい。

「日向、眩しい……」

「俺がか?俺がなのか?」
俺の机に手を突き目をキラキラさせて俺を見る。
いやー、お前も眩しいが…

「カーテン閉めてくんね?」
「そっちかよ!」

キーコーン カーン……
チャイムが鳴り響く。
先生はいつものようにダルそうに入ってきて、出欠をとりはじめる。

「日向〜」

「はーい!」
無意識に日向を見ていることにまだ俺は気付いていない。

キーコーン カーン
1日の授業が終わり、それぞれの場所に向かいだす。俺は部活に所属くしていないので、帰ろうとすると日向は俺を呼んだ。

「音無ー、帰ろうぜー」

「おい、なんだか最近自棄に友好的だな」

「音無が良い奴だってわかったからな」

「そーでもないぞ」

そうだよとか、話していると別れ道に差し掛かる。
「俺、こっちだから」

「俺もこっちだから!」

「嘘だ!「嘘じゃねぇよ!」
俺はお前に気付いてたのに、お前は俺に気付いてなかったのかよーとかなんとか日向はいいながら同じ道を歩く。
しばらくすると、自分の家の前に着き、じゃあなといって軽く手を挙げる。

「じゃあなー。明日は迎えに来るぜ!」
そういってにかっと笑い、日向はその道を進む。

ただいまー、といいながら玄関を開ける。

「お帰りお兄ちゃん…ケホッ」

この頃初音の病状が悪化している。

「初音、今日は病院だったよな」
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