novel

□思いと想い
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やってしまった。
……後悔はしていない。

少し痛い腰を引きずりながら、初音の病院に向かう。
なにがあろうと初音には会いに行く。

病院につき記名し、初音の部屋へ向かう。
「あっ、お兄ちゃん。」

「初音ー来たぞー」

「ねぇ、お兄ちゃん。今日何があった?」
笑顔で俺に問う初音。
キラキラとした目はすごくつらい。
初音が入院して2ヶ月がたった。
日向と会って2ヶ月がたった。
初めは遊びに来てくれた友達も来なくなり、
つまらなそうな初音に学校の話をしてやることにした。
ほとんど日向の話でのろけのようなものだ。
だけど初音は
その人はどんな人?
おもしろい人?
元気な人?
静かな人?
そう質問してきて、
無意識に照れながら
おもしろい人だよ、
元気な人でもあるかな。
と答えると、そっか、よかったね、お兄ちゃん。
そういって微笑む。

細い腕に繋がれた点滴。
食事ごとに飲む薬。
治るわけでもないその病気と初音が戦う為に使われるのだ。
俺が日向と笑い時にはすこし喧嘩をしてまた笑う。
そんな時も初音は1人。
俺になにができるのか。
はたまた俺にはできることなどないんじゃないかと、自問自答を繰り返していると担当医に呼ばれた。

診察室に連れてかれ椅子に座ると言われた。
「強い薬を使いましょう。副作用も出てしまいますが」
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