英国物語ルキア【完結】

□捩章(後編)
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(知られちゃった)

織姫は深い悲しみの中にいた。

(黒崎くんには知られたくなかったのに)

自分の汚れた過去を。身体を。

(…嫌われたよね)

侮蔑するような狭量な性格でないとわかってはいても、自分を追い詰める事を止められない。

少なくとも

想いが叶う可能性は潰えたのではないかと。

他の誰に知られても、こんなに哀しくはならなかっただろうと。

おまけに、『仕事』の途中で無様に逃げ出したとあっては、仕事仲間としての地位すら危うい。

織姫の頭の中には、いくつもの一護の表情が浮かんでは消える。そして最後には哀れむような顔を想像して泣きたくなった。

自室で膝を抱き小さく震えながら唇を噛む。

(くるしいよ…)

(誰か、たすけて)


『黒崎くん』


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