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□風邪
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いくら妖混じりだって、傷は治っても、中身から起こるものには勝てないようで。
起きるのがダルい…
風邪だ。
もう学校はいい…
せめて夜の仕事までに治さなければ…。
頭領に申し訳が立たない。
(というのは、ただの口実だなんて…誰にも言えなかったりする)
《バコーンッ!!》
なんて…もの凄い音がしたのは、勘違いだと思いたい。
「ししぉっ」
でも声が……男にしては少し高めのソレが、現実だと主張する。
「風邪かっ??大丈夫か!?」
オイ…まだ学校は終わっていない時間だぞ…。
「ししぉ、辛い??」
辛いから休んだんだ。
「ししぉ…」
「うるさい邪魔だ帰れ」
俺よりも辛そうな声が、言葉に詰まった。
「ご…ご飯作ったら…帰るから…な??」
「いらない」
「ダメだろ、食べなきゃ治らないから…」
そう言うと、食料を調達しに行ったようだ。
うつしたくないから……帰らせたかったのにな。
ーー…
いつの間にか眠っていたらしく、気がつけばトントンと音がした。
「……」
まな板と包丁に格闘する墨村。
何を作るんだろうか、と…待っている自分がいる。
「ぁ…志々尾、起こしちゃった…??」