@
□テストの災難
1ページ/6ページ
「ししぉーー!!」
また来た…俺のクラスの問題児。
「オイ、いい加減その呼び方ヤメロ…俺は教師だ」
「いーじゃん別にー2人なんだし」
「そういう問題ではない…;」
生徒指導部室。昼休みになると、コイツはいつもやってくる。
俺はコイツの担任兼社会担当なわけで。
「もーいいじゃん!!ご飯食べよー!!はい、ししぉ」
コイツが、俺の分の弁当まで持ってくるようになったのは、いつからだったか。父親が作るらしいが…。
「いただきまーす!!」
「いただきます…」
放課後も、コイツはやってきて、でも寝ている。この部屋は、会議がない限り俺専用に近い。だから別に構わないが(いや、良くはないけれども)。
そんなこんなで、ある日。
「お前…何だこの点数は!!」
中間試験、全教科、赤点
「だ…だって…」
「だって、じゃない」
しかも社会まで(怒)
なんでもコイツは、授業中爆睡するらしい。
(俺の授業は、何故かそんなことはない。なのに赤点)
「あのな…俺は仮にもお前の担任だ…俺にも責任が回ってくるんだ、分かるだろう??」
ついでに溜め息が出た。
「ぁ…」
墨村が、漏れた感じの声を出して。
そちらを見やれば…
「ごめ…なさっ…」
涙
「墨っ…」
「ごめんなさい!!」
「墨村!!」
飛び出していってしまった。