@

□例えば
3ページ/3ページ


次の日、教室を出ると、

志々尾の教室の前で…



「告白ターイム…か…」


そう言えば神田が、“美少女が志々尾を好き”って言ってたな。



「受け取ってくれるかな…??」


何故か渡すのは、志々尾のスケッチ。


あぁ、コンクールがどう、とか言ってたか…
絵が上手いんだな。






付き合うのかな……アイツ。






「…っ」


胸が、痛い。

俺はまた、嫉妬してるんだ。

この場から、動けない。



「……」


志々尾は、無言で美少女をスルーして。

俺の方へ向かってきた。


「…」


俺は、下を向くことしか出来ない。



「………ぇ…!?」


すれ違い様に手を引かれた。
そのまま、ズンズン突き進む。



「ぇ…ぁ……ぇ!?」

「お前が…切羽詰まった顔してるからだ…」


俺そんな顔してた!?



「昨日から…ずっとだ」

「嘘!?」


引っ張られたままの会話。
きっと、目的地は屋上なのだろう。



「お前が何も出来ていないなんて…誰も思っていない…」

「!!」

「あれくらい…お前にも出来る」



あぁ、全部お見通しなわけね…



「…バカみてぇ…//」


じゃあ嫉妬もバレてんのかなぁ…//



「バカだな…」

「うるさい…//!!」










例えば(君のために、できないことなんて無い)
 
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ