Short story

□『君の寝顔』
2ページ/6ページ

君は上着を脱いでコタツに入る。僕は君へ温かいお茶を出した。

「…近くにいたんだ…だからね…」



それから君は黙ったままだ。君は湯呑みを両手で持ちながら、一点を見つめている。

僕は君をじっと優しく見つめた。

僕の視線に気付いた君は、急に壊れた玩具のように話始めた。話の内容は何気ないこと。

本当に君が言いたいことは違うんだってことがなんとなく分かった。

僕は君の話に相槌をうった。

「うん…うん」

それ以上何か話を広げようともせず、ただ相槌をうつ僕に君はだんだん…話を途切れさせた。

君は必死で何かを堪えてる。それが何か分からないけど。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ