Short story

□『今も好き』
1ページ/6ページ

よくある話さ。
聞いてくれるかい?
不覚にも再びときめいてしまったんだ。

何度目の同窓会だろうか。そして、いつも君は出席しなかったんだ。

「電話番号聞いてもいい?また会いたいから」

最初で最後の恋。
それが俺の初恋。

君と出会うまで女の子を意識することなんて全くなかった。

3年間、同じ隣の席。クラスが変わるのも同じ。

無口な俺と君。
交わす言葉なんて数えるくらいだったと思う。その内容だって、たいしたことないこと。

君は普通のおとなしめな女の子だった。

いつの間にか目で追う自分に気が付いたら、余計無口になってしまった俺。

俺はいつの間に君を特別な存在にしたんだろう。そして、どこにひかれた?なんてよく考えてた。

さりげない優しさ。しっかりした考えを持っている。笑顔が印象的だった。他の女の子とは違う、穏やかな笑顔だった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ