Short story

□『恋花火』
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「花火見に行こう?」

勇気を出して誘った花火大会。初めて二人きりで会った。君はどう思ったのかな?いろんなことが頭を巡る。

浴衣を着て、浴衣に合わせたピンクの下駄に赤い帯。髪をアップにして、いつもよりちょっぴり大人びたメイク。薄い紅色のルージュ。

君に可愛いって思われたくてお洒落したんだよ?多分君は言葉にはしないと思うけれど。


待ち合わせ場所で君を待つ。あたしは胸の高鳴りを深呼吸で消そうと必死になっていた。少し遅れて君が現れた。

「…こんばんは」
私が言う。

「…おはよう」
君が言った。

ふふ(笑)
前に会った時と同じ挨拶だ。

君の車に乗って、花火の見える場所まで行く。

初めて、二人きり、君の隣…。

あたしの心臓の音聞こえてるかも。ドキドキうるさいよぉ。浴衣…なんか恥ずかしい。着なれないせいかな。



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