Short story
□『君がいた』
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初めて知った。君の温もりを。こんなにもわがままでひねくれたあたしを…。君は優しく扱ってくれてた。
意地はって強がる私を君は見抜いてた。
君は私の隙をついてくる。弱味だからあたしは、凄んでしまうんだ。それでも君は私を見放したりはしなかった。周りがはなれても。たったひとりになっても。君だけは変わらず私を真っ直ぐ見ていた。
君に凄んでも通用しない。
私はペースを崩す。私の中にある弱い部分を誰にも知られたくない。誰も分かってくれなかった。もう傷つくのは嫌だ。だからうわべだけでいい。本気になったら、あたしは終わりだ。