Short story
□『遠距離』
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『泣きたくなったら泣けばいい』
『ひとりぼっちで泣くなんて嫌だよ』
『だったら 思い出せばいいんだ ひとりじゃない時を 俺がいる時を』
『そこに存在しないのに…無理だよ』
『心の中に存在する愛の大きさの問題だよ』
『…私はさびしがりやだもの』
『…泣きたくなったらいつでも俺がいると思え。それが無理ならいつでも飛んでこい』
『来てはくれないの?』
『…さびしがりやでも、少しは強くなってほしいからな』
『分かった。泣きながら新幹線乗って、泣きながらあなたのアパートに行くから(笑)』
『それはちょっと…』
『…冗談だよ。でも私のとこにも来てよ?』
『分かってるよ』
『良かった♪』
ピンポン。
『あ、誰かきた。ちょっと待ってね。はーい』
電話片手に扉をあける。