Novel

□なぎさ、15歳
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15歳の春、無事に中学を卒業し

平凡な女子高生になるはずだった。

中学時代は、部活動のせいで

かなりのショートヘアだったが

髪を伸ばして、バイトして

高校を楽しむはずだった。

どこで掛け違えたの?

ズレた人生のボタン……。


中学を卒業してから

私が始めたのはバーテンダー。

始めた理由は単純。

バーテンダーの拓海さんに

恋をしたから。

でも、バーテンダーとして

いろんなお酒の勉強は

楽しくもありたいへんでもあった。

拓海さんは…背は低いけど

シェイカーを振る姿は

とてもキレイだった。

髪は茶髪で長めな感じで

顔は大きいけど整ってた。

はっきり言ってホストみたいで

叶うはずのない恋だった。

だけど、拓海さんと出会ってからは

学校では普通の高校生、

夜はバーテンダーと

毎日を充実に過ごしていた。


普通に15歳で雇ってなんか

もらえないんだけど

バーはお母さんのお店だったから

家業として

15歳だった私は店の出入りをした。


拓海さんと出会わせてくれた

母親には感謝している。

なぜなら…拓海さんは

私のすべてだったから…。
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