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□Time〜彼の20分〜
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いいよ。急がなくて。
ちゃんと待ってるから−−−
いつもの待ち合わせ場所は季節の変化も楽しめる。
読書も好きだけれど、こんな幸せな時間には必要ない。
彼女を待つこの時間。
自分は幸せだといいきれる。
遅くても10分前には待ち合わせ場所に到着してしまう自分も相変わらずだな、と思いながら。
彼女からもらった腕時計の針が待ち合わせ時刻をさすけれど。
まだ…
彼女はまだ来ない。
大丈夫だから。走らなくていいよ。
万が一、怪我なんてされたらたまったもんじゃない。
けれど、きっとまた息をきらせて、涙目になりながら来るんだ。
金の髪は風のあおりを受けて、またはねてるんだろう。
それも可愛いけど、本人が気にするだろうからまずはそれから直してあげないと。
まだ冷たい外気にさらされた耳や頬、それと華奢な手も温めてやらないと。
『走って来たから暑い!』
いつも照れてそう言うけど、走った分だけ冷たくなってる。
ちゃんと温まったら離してあげるから。
あと少し…
そろそろ聞こえる大好きな君の声。
「アスラーンっ!」
予想は全て的中。
けど、カガリ…
ミニスカートは反則だろっ///
fin.