Book

□Time〜彼の20分〜
1ページ/2ページ

いいよ。急がなくて。
ちゃんと待ってるから−−−



いつもの待ち合わせ場所は季節の変化も楽しめる。
読書も好きだけれど、こんな幸せな時間には必要ない。


彼女を待つこの時間。
自分は幸せだといいきれる。

遅くても10分前には待ち合わせ場所に到着してしまう自分も相変わらずだな、と思いながら。


彼女からもらった腕時計の針が待ち合わせ時刻をさすけれど。

まだ…

彼女はまだ来ない。


大丈夫だから。走らなくていいよ。
万が一、怪我なんてされたらたまったもんじゃない。

けれど、きっとまた息をきらせて、涙目になりながら来るんだ。

金の髪は風のあおりを受けて、またはねてるんだろう。
それも可愛いけど、本人が気にするだろうからまずはそれから直してあげないと。

まだ冷たい外気にさらされた耳や頬、それと華奢な手も温めてやらないと。
『走って来たから暑い!』

いつも照れてそう言うけど、走った分だけ冷たくなってる。
ちゃんと温まったら離してあげるから。


あと少し…

そろそろ聞こえる大好きな君の声。

「アスラーンっ!」


予想は全て的中。


けど、カガリ…

ミニスカートは反則だろっ///


fin.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ