夢小説


 これは俺の人生初の目論みだ。夢小説というジャンル自体、悉く理解してはいない俺だが、敢えて挑戦してみよう。とはいえ、従来の飽き足りた恋愛物に徹するほど俺は落ちぶれてはいない。皆が吐き気を催すような甘い純愛、或いは陳腐で低俗な恋愛擬きを書くというのならば、俺は奇矯で益体もない意味深長を装ったミステリアスを書いてやろうじゃないか。さあ、宜しければ自らの名前を入力して御覧になるといい。あまりの理解不能具合故に、貴様が文章を理解せずに読むことを放棄したならば、俺の勝ちだ。つまり、これは勝負である。俺という素人が夢小説という安易な舞台を利用し、読者と対立する、滑稽極まりない余興だ。だがしかし、その余興とやらにさえついていけないようでは、最早人として機能しているか怪しいものでもあるのだがな。

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