東方少女短編集

□もう、歌しか聞こえない
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そんなことを彼女に言ってみた。

彼女は八目鰻をこんがりと焼きながら、
「ねぇ、それって、恋…なんじゃない?」

「恋?」

胸が跳ねる。

そんな感情を自分が持っていたなんて、気付かなかった。

香ばしい八目鰻が目の前に出された。

私は無心になって、うつむきながら、八目鰻にぱくついた。

なぜか、赤くなった頬を隠すように。

「分かりやすいわね、あなたって」

くつくつと笑う彼女。

更にうつむく私。
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