東方少女短編集

□心の在り処
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春なのに肌寒いのはどうしてなんだろう。

空虚な胸の奥、1人暖炉の前で人形を縫う私。

妖怪になんて、ならなければ良かった。

人間と妖怪の時間の流れが違うのは自然の摂理なのは当たり前。

それなのに、納得できないのは何故だろう。

最愛の魔理沙も、親友の霊夢も消えてしまうのは当たり前。

だから、心の在り処を失って、行き場を無くした私がいた。

皆がいなくなったから、笑顔の作り方も、人との喋り方も忘れてしまった。

もうどうにもできないわ。

火薬を詰めた人形を燃え盛る暖炉へ放り込む。

火が大きくなっていく。

ああ、永久にさようなら。

私の心の在り処へと戻るため、私は旅立つ。

――――――――――――
鬱まっさかり。

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