東方少女短編集
□心の在り処
1ページ/1ページ
春なのに肌寒いのはどうしてなんだろう。
空虚な胸の奥、1人暖炉の前で人形を縫う私。
妖怪になんて、ならなければ良かった。
人間と妖怪の時間の流れが違うのは自然の摂理なのは当たり前。
それなのに、納得できないのは何故だろう。
最愛の魔理沙も、親友の霊夢も消えてしまうのは当たり前。
だから、心の在り処を失って、行き場を無くした私がいた。
皆がいなくなったから、笑顔の作り方も、人との喋り方も忘れてしまった。
もうどうにもできないわ。
火薬を詰めた人形を燃え盛る暖炉へ放り込む。
火が大きくなっていく。
ああ、永久にさようなら。
私の心の在り処へと戻るため、私は旅立つ。
――――――――――――
鬱まっさかり。