東方少女短編集

□もう、歌しか聞こえない
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「あら、リグル、いらっしゃい」

いつもの八目鰻屋、微笑を浮かべる彼女、そして、透き通った歌声が響く。

「毎日、毎日、飽きないわねぇ」

毎日彼女の店に通っているせいか、呆れられることもしばしば、それでも私は彼女の歌に飽きない。

彼女自身や彼女の歌は私にとっての麻薬なのだ。

普通、私は彼女に捕食されてもおかしくはないのだが、私は通いつづける。

それだけ、彼女は魅力的なのだから。

「飽きるなんてこと、ある訳ないわ」

「あら、嬉しいこといってくれるじゃないの」

破顔する彼女、そんな彼女を見ると自分も嬉しくなる。
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