東方少女短編集
□もう、歌しか聞こえない
1ページ/3ページ
「あら、リグル、いらっしゃい」
いつもの八目鰻屋、微笑を浮かべる彼女、そして、透き通った歌声が響く。
「毎日、毎日、飽きないわねぇ」
毎日彼女の店に通っているせいか、呆れられることもしばしば、それでも私は彼女の歌に飽きない。
彼女自身や彼女の歌は私にとっての麻薬なのだ。
普通、私は彼女に捕食されてもおかしくはないのだが、私は通いつづける。
それだけ、彼女は魅力的なのだから。
「飽きるなんてこと、ある訳ないわ」
「あら、嬉しいこといってくれるじゃないの」
破顔する彼女、そんな彼女を見ると自分も嬉しくなる。