風舞の音に散る花
□第廿玖話
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「じゃあ、膝枕して」
『……へ? 膝枕、ですか?』
「そう。出来るよね」
口には出せないけど、結構素朴なお願いに私は一瞬素頓狂になってしまった。
それでも総司さんは楽しそうな顔だから、私もどうぞ、と座り直した。
総司さんは背中から離れて、正座した私の膝の上に頭を乗せた。
「やっぱりこれがいいね」
『人は体温を感じると安心するって言いますものね』
「そうじゃなくて、咲華ちゃんの膝だから気持ちいいってこと」
『…///』
思わず顔が熱くなるのを感じる。
どうしてこの人は…こんなに何でも言えちゃうんだろうか……
『……ふぁぁー…』
「咲華ちゃん、眠いの?」
『…ん、……はぃ…昨日少し遅くに寝てしまって……』
お日様に当たっていた為か、私まで眠たくなってきた。
思えば、昨日も姉様の帰りを待って夜遅くまで起きていたんだった…
「寝ていいよ」
『ぇ…でも……まだ…』
「大丈夫、起こすときはちゃんと起こしてあげるから」
『……じゃぁ…、』
お言葉に甘えて、って言いたいはずなのに、その前に瞼が一気に重くなって目を閉じてしまう。
近くの柱に頭を任せて、私はそのまま寝てしまった。
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