風舞の音に散る花

□第廿漆話
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慶応三年 六月



平助君が斎藤さん達がいなくなって、もう数ヶ月…

新選組の皆さんはもう空白感を見せなくなったけど、やっぱり私は、どうしても物足りなさを感じずにはいられなかった。

姉様は――
あれ以来、会う事が本当に少なくなってしまった。

一緒に寝る時も不定期になってしまい、時には一日中会わなかった日もある。

それに、顔を合わせる度に姉様の顔色は悪くなっていって、
今となってはかなり細身にもなってきたような気がする…


……姉様

あなたは、私に隠れて一体何をしているの?

体を犠牲にしてまで、必死にならなければいけないことなの?

何も知らない私には言えた義理は無いけど、
私だって、姉様の妹なんだから、心配しちゃうんだよ……




――――――
――――
――



≪side美咲≫


…ごめんね、咲華

あなたが心配してくれてるの、本当はわかってるの

あなたを不安にさせてしまっているのも、ちゃんと理解してる

でもね――これは…これだけは、私がやらなきゃいけないの

私の全てを賭けてもいい

母様がそうしたように…

羅刹をこれ以上作らないように、鬼と人間の壁を壊さないように、
そして……あなたの為に、私が歯止めにならなければならないの。

きっともうすぐ…彼らも動き出す。

それまでに……




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