風舞の音に散る花

□第廿陸話
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真っ暗な、闇の世界…

どこなの…ここは――?


誰かの声がする…

…違う、
これは泣く声だ。

誰かが泣いてるんだ。

でも、誰が……?


「……っく、…ぅ……」


だれ…

誰なの……?

どうして、こんな所で泣いてるの?


「“…っ、ごめ、……ごめ…な…さい、……いか……”」


……え?


今さらになって、私はようやく気付いた。

ここには、私以外誰もいない…

声は、直接私の耳に聞こえていたんだ。

ただただ泣いて、誰かに向かって謝り続ける声を……

それが一体誰なのか、
私は知っているようで、うまく思い出せなかった。

ただその声が私に謝っているのではなくほかの誰かに向けている言葉であり、
それがどれだけ悲しく、悔やんでいるかは理解できた。

そしてその声が…

どことなく私に似ている気がすることも……



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