確かなメロディー(弐)
□第五十八話 帰郷
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数日後 池袋駅
『あ、静雄さん!』
「よぉ、桜」
待ち合わせの場所に着くと、そこには先に静雄さんがいた。
向かい合わせになるように立つと、思わず無言で見つめてしまった……
だって――
「? どうした?」
『いえ、だって……その……静雄さんがバーテン服以外を着てるの、初めて見ましたから……』
今の静雄さんはいつものバーテン服では無く、ブラウンのジャケットにジーンズと、若い男の人らしい格好だった。
しかも……スッゴイかっこいい……
『………///』
「桜? 顔赤くなってるが大丈夫か?」
『ふえぇはいぃっ! 大丈夫です! さっそくですが行きましょう!!』
「?? あぁ」
そんな慌ただしくだけど、私達の里帰りは始まった。
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