確かなメロディー(弐)

□第五十七話 手紙
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数時間後――




「桜ー、私今日バイトだから先行くねー」

『うん、行ってらっしゃい』



本日の講義、全て終了!


抜き打ちテストで微妙な点数とってしまったのが唯一の気がかりだけど……


さて、帰りますか



「あ、海音寺!」

『ん? なに?』



荷物を持って部屋を出ようとすると、近くの席にいたある男の子が声をかけてきた。


後ろには、いつも彼と一緒にいる他の男子達が数名集まってこっちを見ていた。



「あのよ、俺達今夜合コンやるんだけどよ……その…、海音寺さえ良かったら、一緒に来てくれねぇか?」

『………』



何かと思ったら……合コンの誘いだった。


まだ入って半年も経たないのに、青春を求めてる人達はよく開いてる。


私もたまに誘われたりするけど、



『…ごめんなさい。一緒に行けないよ』



大体はこうやって断わってる。



「……そうか。やっぱ、いきなりだから日程合わないとか?」

『ううん。そう言うんじゃなくて』

「?」

『私、ちゃんと好きな人いるから。ほら、もし行って好きな人できちゃったら申し訳ないでしょ?』

「っ!」

『そう言う事だからまた他の時に誘ってね。じゃあね〜』



これだけは、絶対に譲れない所。


せめてにもと満面の笑顔を残して、私は講義室を出て行った。




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