確かなメロディー(弐)

□第五十四話 本当の私
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「……先刻の問いに対する私の答え、誤りがありました」

「えっ……」

『……?』



静雄さん達が来るのを見ながら、横でヴァローナさんが茜ちゃんに小声で囁いているのが聞こえた。


何の話なのかな、と気になって耳を傾けてみると、

私自身にも衝撃的な言葉が聞こえてきた。



「平和島静雄。私の“獲物”です。いずれ、私の手で壊す。それが事実です」

『はぃぃ!?』

「……っ! だ、ダメ! ダメだよ!!」



ヴァローナさんにいきなり何て事言ってくれてんのー!!?


静雄さんは…わわわ私の獲物って

ちょっとどういう事ですか〜!!?


ダメとか言ってくれた茜ちゃん! それだけに関してはちょっとだけ見直しちゃったよ!!



「静雄お兄ちゃんは……私がやっつけるんだもん!!」

『っ!!?』



……前言撤回だー!


やっぱり侮れないよこの子!!



『ちょっと! 何勝手な事言ってるんですか!?』

「お姉ちゃんは黙っててよ! ……静雄おにいちゃんは、私がどうにかしないといけないの!」

『どうにかってどういう事よ! ちゃんと説明して!』

「……先輩、私も不明瞭です。私の獲物に対して貴方達が所有権を持つ理由を答えて下さい」

「む、難しい事は分からないよう!」

『し、静雄さんは私の……っ、とにかく、ヴァローナさんだって自分のとか決め付けないでください!!』



私の中の二人のマイナスイメージが急速に上昇中してるよこれ。


て言うか、正々堂々言えない私もどうよ。


だぁ〜!! 茜ちゃんまた抱きついてるし!!


………どうも私には、

裏でも問題あり表でも問題ありのようです……

         〜続く〜





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