確かなメロディー(弐)

□第五十三話 ライバル達?
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「あ、静雄、そろそろ例の家に取り立てにいかねぇと」

「うす」



そこに(私にとっては救いの手と言うべきか、)トムさんが声をかけてきた。


そう言えば、私達まだ仕事の途中だった!


ちゃんと入れ替えないと



「今回は取り立ての家に奥さんも子供もいて微妙だからよ、ヴァローナの嬢ちゃんはちょっと待っててくれねぇか」

「……待機ですか?」

「いやあ、さっきみたいに派手な活躍されても困るからさ、ほら、ここで嬢ちゃん達と茶飲み話でもして待っててくれよ。茶はないけど」



本当はやっちゃいけない事だけど、私は心の中でちょっとほっとなっていた。


確かに、家族の前で父親殴られるのはどうかと思うよね。



「……了解しました。では、この人と一緒でもかまいませんか? 初対面ばかりだと流石に空気が固まりかねません」

「ん? 桜ちゃんとか?」



………へ?


ちょっとヴァローナさん!? 何言っちゃってんのー!!?



「まぁ、確かにそうかもしれねぇな。桜ちゃん、それでもいいか?」

『え……』



つまり、私はヴァローナさんとマイちゃんとクルちゃんそして茜ちゃんの面倒を見とけと!?


……正直言えば、無理だって言いたい。


でも、だからって断わったら迷惑かけちゃうよね。



『……わかりました』

「悪ぃな。押し付けちまって」

『いいえ、全然大丈夫ですよ♪』



頑張って笑ってみるけど、実は心中泣きたい……


…大丈夫、十分ぐらいの辛抱だ


耐えるんだ私〜!!



『じゃあ静雄さん、お気をつけて』

「おぅ、行ってくる」



境内の出口まで見送ってそう言うと、静雄さんは頭をポンポン撫でてくれた。


それに安心はできたけど、やっぱり不安は残っていた。



……静雄さん、あなたのそういう優しい所に、私は惹かれたんです


でも、たまに不安になるんですよ……


あなたは誰に対しても優しいから…


特に女の人といる所を見ると……


私だって、

ヤキモチ焼いたりするんですから


不安にさせないで下さいよ……

       〜続く〜





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