確かなメロディー(弐)

□第五十三話 ライバル達?
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「あっ! しーずーおーさーん! 元気してたーっ?」


『げっ……』



聞こえてきた大声に、思わず私は言葉に出してしまった。



あぁ……もうこれだけでわかってしまう自分が恐ろしくなってきます…



「マイルにクルリじゃねぇか……って、アカネ!?」



……ん?

静雄さん、今なんと…



「静雄お兄ちゃん!」



『なっ、ななな』



なにぃぃいいいいいいっっ!!!?



何とか、その叫びだけは頭の中に押し込む事はできた。


でも、その名前と声に振り返ってみると、

あの茜ちゃんが満面の笑顔で静雄さんに……

だ…、抱きついてた!!



『し……』



私は一度大きく息を吸う。

で……



『静雄さんのたらしがぁあああ!!!!』



思いっきり、我ながら恥ずかしい事を叫んでしまった……



「っ、桜!?」

『! え、あっ…ち、違うんですっ!! 私そんな……』

「あ〜! 桜ちゃん久し振りー!」

『っ!? マイちゃ…』

「大学生になると皆細くなるって言われてるけどどうなのかな〜? んー、やっぱちょっと細くなった?」

『やぁあああ!』



はっとなって撤回しようとしているとマイちゃんに見つかってしまい、

またもや腰に抱きつかれる……


暴れて何とか逃れたものの、すっごく残念そうにマイちゃんはあーあ、と呟く。


クルちゃんも、どんな感じだったとか聞くな。



『………』

「…えっと…、桜?」

『っ、さ、さっきのは違いますから! 口が滑ったって言うか…興奮しちゃってて……その……』

「いや…別に怒ってねぇけど」

『ぅ〜………』



突然とは言えたらし等と言ってしまうとは……自分が情けないです…


でも…、流石にあーいうのはやっぱり……





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