風舞の音に散る花

□第廿話
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解散となって部屋に戻ってきたのは、もう寝る時間近くだった。


『う〜ん、この部屋久し振りな感じがする。五日間しか離れてないのにね』

「……そうね」


明るく言ってみたんだけど、姉様はどこか上の空っぽく返してきた。

どうしたのと聞いてみれば、先ほどまでの嬉しそうな笑顔が消えていて、また少し悲しそうな表情になっていた。


『……姉様?』

「……ごめん、ちょっと土方さん達にもうちょっと話す事があってね。遅くなると思うから、先に寝てて」

『え……まだ話す事があるの?』

「えぇ」


さっきの話で、私達の事はもうほとんど話し終えたはず。

あれ以外に、一体何を話すんだろう……


「………」

『……わかった、気をつけてね』

「……止めないのね」

『だって、姉様が決めた事を止めるわけにはいけないから』

「ありがとう、咲華。それから……ごめんなさいね」

『何が?』

「……あの時のこと…」


私を見る姉様の瞳が迷っていた。

何を言うのか怖がってるんだと、私は直感した。


……なんで、謝るの?


『姉様が謝らないでよ。あれは私にも責任があるのよ』

「でも……」

『大丈夫っ。さっき全部話してくれたんだから、何も怒ってないって』

「……そう。
じゃ、おやすみ咲華」

『うん、おやすみなさい』


姉様は最後にもう一度微笑んでくれてから部屋を出て行った。


………

やっぱり、一人は寂しいな…


足音が聞こえなくなってから、私は何となく孤独感に襲われた。

記憶が戻ったせいか、一人でいるのがどうしようも無く不安に感じられた。

さっさと布団を敷いて寝てしまおうとした矢先、


「咲華ちゃん」

『…総司さん、ですか?』

「そう。入ってもいい?」

『ぁ…、はい』



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