確かなメロディー(弐)

□第五十話 かつての…
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ピリリリリッ ピリリリリッ



『あ、……』



突然音が鳴って何かと思ったら、私の携帯からだった。


仕事中はいつも電源切ってるはずなのに〜……

しかも、緊急情報用のメール…



『…トムさん、静雄さんすいません。ちょっと緊急みたいなので、少し抜けさせてもらっていいですか』

「ん? おう。問題ないぞ」

「大丈夫か?」

『はい。少し連絡するだけなので、階段の下で待ってます』



私は前を歩くお二人にそう言って、危なっかしながらも急いで元来た階段を降りて行った。



……何だろ? この違和感

また嫌な起きてしまうような……胸騒ぎのようなものを感じる



今から起きる事に少し恐怖を持って胸に手を当てながら、私は下へと目指す。

そして一階まで降りると、着信したばかりのメールを開いて内容を確認する。


発信元は池袋にいる仕事仲間の一人である情報屋だった。

実際顔を合わせた事は一度だけなんだけど、こうして情報提供し合うのは茶飯事な事。


そして、私はその内容に目を見張った。

上の階でトムさん達が何か言い合ってるみたいだけど、それさえも耳に入らないくらいだった。

内容は――



【折原臨也が何者かに刺されて、入院したらしい】



嘘……臨也さんが…、刺された?

あの人は周りから何かと恨まれてる人だけど、今までそんな怪我を負わされるなんて事はなかった

どうしよう……

やっぱり、確認とった方がいいのかな?



私は携帯で電話帳を開こうとしたけど、もう一押しの所で手が止まった。



……あの人は、静雄さんを嵌めた人だよ?

そんな人を心配するなんて、

そんな事をしてしまっていいのだろうか


静雄さんは怒ると思う

でも……

あの人は、仮にも私の師なんだ

それはちゃんとわかってる


だけど……

どっちを選択すればいいかというのは、私にも自信がない


こういう時、“私”ならどうするんだろう……



――良かったら、代わってあげてもいいよ?



…………

この言葉に甘えてようとしている私は、やっぱり弱いんだろうか…

         〜続く〜



((久し振りにして短いです。
静雄さんが少ない結局何が言いたいんだ今回?
 次回、久々?の臨也登場
           by桜))
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