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□標的165 XANXUS VS.Rasiel
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一方で――東方向
そこでは相変わらず、スクアーロと鈴菜が百以上と思われる敵との激戦を繰り広げていた。
「ハァ、ハァ……
あぁもうっ! しつこいったら無いわねこいつらっ!!」
金姫の力を借りてまで戦っている鈴菜でも、これだけの敵と長時間戦っていれば流石に辛さと苛立ちを持ち始めていた。
愚痴を吐きながらまた新たに術を組もうとすると、
不意に背後から敵の気配が――
「っ!?」
「「キュッ!!/ビィッ!!
(鈴菜様!!)」」
ガッ ドカッ
そこへ、彼女の匣兵器である“雪オコジョ(エルメッリーノ・ネーヴェ)”と“雪チタール(チャザート・ディ・ネーヴェ)”が同時に飛び出し、左右から思いっきり敵を突き飛ばした。
2匹にやられた敵はその体を雪になり、ボロボロと崩れながら地面に落ちて行った。
「……助かったわ。ありがとうシロ、リュート」
「キュ♪」
「ビィ♪」
シロと呼ばれた雪オコジョ、そしてリュートと呼ばれた雪チタールは嬉しそうに鳴いた。
しかしすぐにまた敵が彼女達に襲い掛かってきて、一人とニ匹は一瞬で真剣な表情になって戦いを再開した。
「スクアーロ!! まだ連絡つかないの!?」
「今やってる!!
ルッスーリア生きてんのか!?
シロはどうなったぁ!?」
鈴菜に言われたスクアーロは、地で戦いながらも必死で古城のルッスーリアに通信をいれる。
しかし残骸になった古城では……
瓦礫からはみ出る血だらけの誰かの手と、ルッスーリアがいつも愛用しているサングラスが落ちていた……
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